「コツコツ努力し、へこたれない、応援してもらえる」人間になってほしい
Yさん(小学5年生)のお母さまより

「様子をみましょう」「無理をさせないで」に不安が募る

 息子は小学校5年生になりました。年中組の4月にエルベテークに入会し、早いもので7年目になります。乳児期の息子はとにかく手がかかりませんでした。人が好きで目もよく合い、身体的成長も大きく遅れていなかったのですが、反応が乏しいことに強い違和感がありました。1歳半健診後、保健所に相談を申し込んだものの「様子をみましょう。そんなに心配なら市の療育施設に行ってみては」と言われるだけで不安解消には至りませんでした。発達の正しい知識を得て積極的に関われば必ず成長するはずだと信じ、発達と名の付く本を読み漁りました。また、市の「言葉の教室」や、療育センターの「ST・OT」に通い、更に民間の発達の専門家の訪問指導を受けたり、牛乳、小麦粉等を完全に排除した食事療法を試したりしましたが、成果を実感出来ませんでした。
 3歳になっても言葉が出ない、場所見知り・人見知りがひどく固まって動かない、模倣・共同注視ができない等の状況が続きました。また、ドアが開いているとすぐに閉めに行く、特定の物しか食べない、特定の服しか着ない、手や服が汚れるのを極端に嫌がる等々の強いこだわりが出始めていました。絵本を読み聞かせてもページをパラパラめくるだけ、遊びに誘っても、必死に盛り上げる大人を尻目にすーっと逃げ出す有様です。教えたいことは山ほどあるのに、受け入れてもらえないもどかしさが常にありました。
 幸い3つ上の兄が通園していた幼稚園に3年保育で入園し、細やかな保育のもと、大きな問題を起こすことなく過ごしていましたが、集団に入れても療育に通っても思うような成長が見られない息子に不安が募るばかりでした。「その子なりの成長を見守り無理させないでください」などの言葉を耳にする度、深く考えこんでしまいました。
 しかし、未来ある幼い息子を何もせず見守る決断はどうしてもできず、何とか教える手立てはないかと模索している中で、エルベテーク河野代表の『発達の遅れが気になる子どもの教え方』の本に出会い、早速面談を申し込みました。

「これでようやく教えていける」

エルベテーク(以下教室)での教えは、これまで療育の場で言われてきた「気持ちを分かってあげて、フラッシュカードや絵本は見ていなくても続けて、こだわりや独り言は安定剤だからやめさせないで、あいさつはハイタッチ、ほめるときは大げさに」という指導と大きく懸け離れていました。これまで、“目を見る”“口を閉じる”を重要視されたこともなかったのでこれがどれほどの意味をもつのだろう・・・と当初は正直半信半疑でした。 しかし、先生方の言葉には有無を言わせぬ確信に満ちたものがあり、その日から教室の指導法を忠実に守り、まねる日々が始まりました。変化はすぐに表れました。今まで興味のないことからすぐに逃げていた息子が、目を合わせて口を閉じ、指示に応じようとする姿勢を見せ始めたのです。「これでようやく教えていける。ようやく教育の入口に立つことができた」と明るい一筋の光が射したのを覚えています。
 スタート地点には立てたものの、課題は山積みでしたが、そのつど教室の適切な助言でぶれることなく対応でき、数の並び(足し算、引き算)、平仮名、片仮名を身につけ何とか普通学級へ入学する運びとなりました。入学式の後、アドバイスの通り、発達状況のレポートを担任の先生に渡し、協力を求めました。今も学年が上がるたびに提出し面談を受けるようにしています。

教室に相談しながらの学校生活

 不安の中で始まった小学校生活ですが、予想通りついていけず、連絡帳も満足に書けず、学校での生活も一切話しません。登下校の際に友達から情報収集する毎日でした。音楽、図工、体育、人並みにできるものは1つもなく、教室で作ってくださった国語、算数の先取り学習の貯金もみるみる減っていきます。何から手をつけるべきか途方に暮れて教室に相談したところ、「優先順位をつけ、押さえるべき点を絞り込みましょう」との助言を得ました。
 幼稚園の頃から学習を習慣づけていたので、家庭学習はスムーズにいくと楽観していましたが、学習の導入に苦労し、いざ始めても、注意されたり、難しい問題に当たると、泣く、ふてくされる、暴れることの繰り返しでした。何らかの気分転換を図れば容易に機嫌が直ることは明らかでしたが、それでは「すべきこと、してはならないこと」が曖昧になるので何度も言い聞かせ修正させました。どうにもならず、教室の先生に電話で注意していただいたことも幾度もあり、どれだけ心強かったことでしょう。
 1年生の後半には担任の先生から「残念ながら周りの子とどんどん差が開いています。この先二次障害になります」と言われ、その折も教室に相談し、ぶれそうになる心を繋ぎ止めました。
 こうして何とか終えた1年生ですが、2年生で状況は悪化します。友達にちょっかいを出す、特定の女の子に近づく、注意を聞き入れない等の問題行動が出始め、対応のやさしすぎる男性教師の元では改善の兆しが見えませんでした。私が仕事休みの週1回は休み時間毎に学校へ足を運び、不適切な行動を未然に防ぐべく指示を与えました。学校へ行くたび、友達から苦情の声をわんさか聞かされ、他クラスの先生から嫌みを言われ、針のむしろでしたが、私の目があることで一定の効果はありました。興奮状態では指示も通らないので、普段から事ある毎に「すべきこと、してはいけないこと」を諭し、今も、登校前に約束事を言わせ確認し続けています。
 3年生ではおおらかで面倒見のよい女性教師に変わり、成長が見られました。問題行動はめっきり減り、学校生活もちらほら話すようになりました。4年生は細やかでしっかりした女性教師のもと、穏やかな学校生活を送っていました。家では饒舌な息子も学校ではほとんど言葉を発しないので、コミュニケーションの面で問題になり、登校前の約束事に「必要なことは必ず話す」を追加しました。

登校を渋った時のこと

 安心していた4年生の冬休み明けの始業式に事件は起こりました。家を出る直前、突然顔色が変わり、登校を渋ったのです。何とか連れ出そうと試みたものの、暴れるので断念せざるを得ませんでした。「何とかせねば」と真っ先に教室に電話を入れました。早朝にも関わらず丁寧に対応していただき「学校には遅れることだけ伝えて必ず連れていくように」と指示をいただきました。泣いて暴れるので困難を極めましたが、偶然通りかかった見知らぬ保護者が手を貸してくださり、引きずるようにして強引に登校させました。
 直接ご指導いただくため、帰宅後、教室に連れて行きましたが、道中ずっとめそめそ、川口駅に着くとひっくり返って泣きわめき、状況を察した先生が駅まで迎えに来て対応してくださいました。「今日は頑張って学校に行ったね、明日はもう大丈夫ね」そう声を掛けてもらった息子は憑き物が落ちたような穏やかな顔になっていました。
 翌朝は平静を装いつつ緊張して見守っていましたが、息子の決意は固く、一番に登校時の集合場所に出て行きました。帰宅するや否や「約束を守って通学できたことを自分でエルベテークに電話する」と言い出しました。家族以外に電話したことのない息子がこんなことを言うなんて余程誇らしかったのでしょう。後に代表から「あの時、一番に教室に電話してくれて本当に良かった。もし学校に電話していたら十中八九『無理して来させないように』と言われて通学が難しくなっていたかもしれません」と言われ、まさにその通りだと思いました。
 4年生では〈日記〉という新たな習慣が加わりました。学年が上がるにつれ、自分の考えを書く機会が増えるものの、全く歯が立たないことを教室に相談したところ、日記を薦められました。当初は何を書くかも分からず、尋問さながらに聞き取った息子の脈絡のない言葉を整理して文章にするため、たった数行の文章に莫大なエネルギーを要しました。
 今ではだいぶ慣れ、「今日は何を書こうかな」とテーマを決めて自分なりに取り組む姿が見受けられます。日記は予想以上の効果を生んでいます。日記を書くことを想定しているせいか1日の認知、記憶力が向上し、書いた日記を音読、一問一答する事で読解の練習になり、反省点を書くことで失敗を繰り返さないという意識付けになっています。それから後で読み返すとユニークで面白いです。

「ぼくは出来ないことが出来るようになった時にうれしい」

 現在の息子はコミュニケーションも拙く、学習面、生活面でも出来ない事が多く、自立とは程遠いですが、出来ないことを前にしても決して逃げださず、こつこつ努力することが当たり前になりました。年間20冊の自主学習を2年生から続け、先生や友達から評価されることも大きな自信に繋がっています。学習中心の毎日を過ごす息子に、思わず「苦しくない?」と尋ねてしまった時、即座に「ぼくは出来ないことが出来るようになった時にうれしい、だから出来なかったらやるしかないでしょう」という返事が返ってきました。何も迷う必要はない、これまで通り支えていけばよいのだと再確認した瞬間でした。
 コツコツ努力をし、注意してもへこたれない、人から応援してもらえる人間になって欲しいという願いを胸に頑張ってきましたが、今、息子は少なくとも私達が応援したいと思える人間に育っていることを嬉しく思います。まだまだ道半ば、未だ先行き不安ですが、努力の先にはきっと形になるものがあるはずだと信じることが出来るようになりました。
 息子に教わる力をつけさせ、これまで導いてくださった教室に感謝の気持ちでいっぱいです。もしも教室に出会っていなければ、今現在の息子の姿はなかったと断言できます。また、これまで共に悩み、情報を共有し、惜しみない協力をして支え続けてくれた夫、両親、くじけそうな自分を奮い立たせてくださった教室の保護者の皆様に感謝の意を表したいと思います。
 幸運にもこの教室に出会えた者として今後とも覚悟を決めて親子共々頑張っていきます。
048-223-8224
埼玉教室
06-4708-4138
大阪教室
埼玉教室 048-223-8224
大阪教室 06-4708-4138