学び続けるため、特別支援学校高等部を卒業後、通信制高校へ入学。
Oさん(新高校1年生)のご両親より

学力面の遅れがあった息子

 息子(18歳)がエルベテークに通わせていただくようになったのは約2年半前、特別支援学校の高等部1年生だった夏です。その頃、私は既に高校生の年齢に達し、作業中心で教科学習の無い学校に進学した息子に対し、今後何をどのように頑張らせていったら良いのかわからなくなり悩んでいました。
 息子の生育の様子を簡単にご紹介しますと、発育の遅れを 心配し始めたのは1歳前からでした。確定診断が出るまでは、子供の遅れや奇妙さがなぜなのか、納得できる理由を求めて、病院をいくつも受診しました。そして、地元の児童福祉センターにおいて1歳5ヶ月の時に知的発達遅滞を、2歳では自閉症スペクトラム障害という診断を受けました。
 診断後は、早期療育により少しでも予後が改善する事を願って、公的機関での療育に通い始めましたが、そこでは楽しく遊ばせながら生活や言葉を学ばせることが中心でした。その他に、講演会で知った海外からの新しい療育メソッドにも家庭 で取り組んでみました。我が子は、他のご家庭と同じような育て方だとINPUTもOUTPUTもできないと痛感していましたか ら、参考図書などを見ながら一所懸命勉強して、我が子の発達レベルにあった課題を選び、必要な教材を手作りして、指導するということをしなくてはなりませんでした。当時は“日々生きているだけで辛いような”心境で、療育も大きな負担でしたが、実家の両親にも助けてもらいながら、なんとか“普通”に近づけなくてはと、反応の乏しい子に見せて聞かせて触れさせて話しかけてと毎日必死でした。
 幼稚園の時期は、障害児療育を専門とする通園施設にて3年間過ごし、小学校・中学校は地元大学の附属校にある特別支援学級に進みました。幸い障害児教育にも大変熱心な学校 で、理解ある教員が手厚く配置され、親子共安心してのびの びと過ごせましたし、中学校では普通級同様に教科担任制で 指導していただき、それなりの成長を感じる事ができました。 家庭でも、興味の幅が極端に狭い息子に色々な経験をさせた いと、様々な療育や習い事をさせました。それらすべて本人だけでは身につきませんので、親が付き添って学び、家庭でも教える事が必要でした。
 それでも、依然として学力的な遅れは甚だしく、中学校を終える学年になっても、進度は小学校3年生レベルを終えら れず、特に読解力が極端に弱くて、文章を音読はできても、その意味や内容をまったく読み取れないことが大きな悩みでし た。中学卒業後の進路も、教科学習がまったくない特別支援 学校・高等部に決まり(当時は他に選択肢を見つけられませんでした)、勉強について大変不安を覚えました。

夫の言葉とエルベテークとの出会い

 そこで、幼い頃から発達を診ていただいている主治医の先生に会いに行き、勉強を続けさせたいが、どのようにさせたら良いか悩んでいると相談したところ、端的に「勉強は時間の無駄です。生活を通して必要なものだけを取り上げて学ばせるように」と言われました。大変ショックな言葉ではありましたが、発達検査の結果からも、またこれまで手をかけて勉強させてきたけれど、気を向けさせるだけで大きな労力が要り、一向に先に 進まないどころか出来るようにさせたこともすぐに忘れてしまうことを思い、先生の仰る通りなのかもしれないと感じました。
 帰宅後に夫へそのことを伝え、「ここまで頑張ってきたけれど、専門家がそのように仰るのだから、この子の持つ力以上 のことを求め続けることは、それ自体がもしかしたら既に虐待なのではないだろうか?」と話しましたが、夫は「では、他に何を頑張らせるのか。それは先生のご見解であって、それは それで承って、しかし何もそれに従う必要は無い。脳のことなど、ほんの一部しかわかっていないのだから。勉強をずっと 続けさせてみてはどうか?どのように伸びるかわからない」と申しました。
 そうは言われても、この子を教える難しさを一番知っている 私としては、「どうしたら良いものか。これまでのやり方でダメなのはわかっている・・・」などと悶々と悩んでおりました頃、大変有難い出会いがありました。エルベテークにお子さんを通 わせておられるSさんと知り合いになったのです。偶然にも、私たち家族が米国に短期間住んでいた時期(息子が小学生の 頃)、その方も同じ地域に住まわれていた不思議なご縁で、すっかり打ち解ける事ができました。
 私が息子の教育について悩んでいることを知った彼女は、エルベテークをご紹介したいと河野先生の著書を貸して下さいました。お借りした本を読み進めるうちに、ぜひ一度見学や面談をお願いしたくなり、そして通わせていただくようになりました。最初の頃は、諦めと期待とが相半ばする心境でした・・・これまで色々やってこうなのだから、そんな上手くいくことがあるだろうかと不安になる時もあれば、著書に書いてあるような成長が見られたらどんなに嬉しいだろう・・・という複雑な思いが混在しておりました。

初めてやり切った、やり切らせた親子の体験

 実際の学習は、小学校2年生の漢字からスタートしていただき、3年生の漢字で早くも躓きました。それでも、先生は3年生のすべての漢字をとめ・はね・はらいも間違い無く、筆順通りにスラスラ書けるよう徹底させること(4年生以降の漢字の基礎となるところなので)と、繰り返し宿題に出していただ きました。何度させても同じようなところを間違え完成しない ため、そのことを訴えますと、先生は「間違えるものです。初めから間違えるものと思っていたらよろしいです」と毅然と仰いました。自分の甘さを痛感し、そうかできるまでやらせるから身についていくのかとはっとしました。河野先生にも「100回書いてダメなら200、300回書けば覚えられる」と。それらのお言葉を頼りに続け、しばらくかかってようやく100点が取れた時には本当に嬉しかったです。初めてやり切った、やり切らせた体験でした。子供よりもむしろ親にこの経験を積ませなければならないと考えて下さっていたのではないかと思っています。漢字は、中学校の範囲に入りました。
 数学は、四則計算も怪しかったのが、「え、そんな内容理解できるのでしょうか?」と思いながら、先生方の導きのもと進んでいき、今は因数分解や式の展開を解いています。
 エルベテークに入る前には想像もできなかったことです。小学校3年生レベルの漢字や四則計算のみで生きるのと、識字力が格段に増し、0以下の概念が解って送る人生とでは、どんなに豊かさが違うでしょうか。また、生活に直接必要なことでなくてもそうです。方程式や連立方程式が解けるようになっ た時には、この子は法則性を理解して物を操作できている、それならば、仕事の多くは法則にのっとってなされていくものであるから、簡単な仕事しか無理なのではなく、教えたらできるのではないだろうか、そう気づけただけでもエルベテークに通えて良かったと夫と話しました。

「努力する」という、かけがえのない力

 そして、この春、特別支援学校高等部を卒業し、いささか 回り道的進路ですが通信制の高校に入学することになりました。当初、特別支援学校卒業後は就労支援施設に通うものと 思っていました。約2年半前、エルベテークの先生方から「通信制高校へ進学して学ぶことができるお子さんだと思っていま す。高校を卒業させ、その後次の学校も考えられる」と仰っていただいても、実は夢のようなお話だと思っていました。
この度小さな一歩ですが前へ歩みを進めることができ、これまでのご指導やご助言のおかげで、学び続ける機会を与えら れることに心から感謝しております。3年遅れの高校生となり ますが、“人生百年時代”とも言われる時代でもあり、今後も着 実に学び続けてほしいと思っております(先々への不安は、い つでも絶えませんが・・・)。

“GENIUS IS AN INFINITE CAPACITY FOR TAKING PAINS.”

 『天才とは無限に努力できる能力のことである』とも訳されているようですが、エルベテークに入塾後、偶然出会った英語の成句です。ご指導いただく教育理念とリンクするように感じ、子供と勉強する際使っている電気スタンドに貼って、教え るのに苦悩する時に見ては励まされています。
 これまで順調そうな事を書きましたが、実際、家で教えているとエルベテークの毅然とした教育法には程遠く、教える難しさを嘆くことばかりです。そんな中、アメリカの親の会とエル ベテークのご縁が共通する方々と繋がることができ、悩み相談 や情報交換などさせていただいています。先日通信制高校に 合格したことを報告すると、次々とお祝いメッセージが届き、それを読みながら初めて涙が溢れてきました。合格通知に各方面からお言葉をいただきましたが、今後の心配が先に立ち、 喜ぶ余裕もありませんでした。しかし、教える難しさ・学び取る難しさを超えて頑張る日々の苦労を、お互い容易に想像できるからこそのメッセージで心に響いたのだと思います。
 エルベテークの保護者の皆様のご努力をいつも尊敬しています。そして、エルベテークに通う天才たちに幸多からんことを願っています。
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